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今日はEOS20Dフォーカシング・スクリーン(ファインダースクリーン、ピントスクリーン)をニコンFM3A用のスプリット付きフォーカシング・スクリーンに交換しちゃう。と、いうマニアックなお話です。
友人からファインダースクリーン交換に関して 「相変わらず、無茶な事するなぁ・・・」 「そのまま既製品を使うちゅうことが出来へんのかいな。」 「で、ファインダーはどんな風に見えてんねん?」って、メールをもらいました。 伝わるかどうか? ファインダーの中なんか撮るの初めてです。GX-8をファインダーに押さえつけて こんな風に見えてます。 NikonF-EOSマウントアダプター使用 NoctNikkor58mm1.2 絞り開放 ちょっと分かりにくいかなぁ?合わしやすいんですよ。 実際写った画像は こんな感じかな? 注意! EOS20Dの改造に関して、壊すつもりでない限り、行わない方がよいと思います。 安易な気持ちでファインダースクリーン部分を分解するとゴミやホコリが入って大変やっかいな事になったり、カメラの部品に傷が付きますので、くれぐれも自信のない方、自己責任と言う意味が理解できない方は分解しないでください。 このページを参考にされて改造するとメーカー保障が受けれなくなります。また、改造によって問題等が発生しましても当方は一切、責任は負えませんので、このことを十分了承した上で、自己責任でお願いします。この方法での改造に関して質問等は一切受け付けません。 純正ファインダースクリーンをすべて入れ替えますので、当然、ファインダー内のオートフォーカスエリアの表示はなくなります。CanonEFレンズ愛用の方は改造されない方がよいと思います。(泉式はCanonEFレンズを一本も持っていません。)一応AFも効きますが、基本的にはMF専用機にする覚悟が必要です。 改造に関するHP、blog 一番最初にEOS20Dのファインダースクリーン交換で参考にしたのが このHP「写眞機工房」と、このycttimさんのblog 「Blog??・・・Life Logだな」です。ちなみに、泉式のBlogで使用している純正ファインダー部品の名称は「写眞機工房」で紹介されている名称を使用しています。 これらの方法は正規のファインダーを取り外し、置き換えるファインダースクリーンを削って、そのスクリーンの厚さでピント位置を調整する方法です。 この問題点はとにかくファインダースクリーンをトライ・アンド・エラーで削り出さないといけないことです。当然、作業中、スクリーンに傷を付けてしまう危険性が高まります。 削るのが均一に出来ないとペンタプリズムに対して平行が保てなくなる可能性があります。 実際、泉式も、最初に作った一枚は最後の最後で傷を付けてしまい、悲しい思いをしました。 では、どうすればよいのか? ピント面までスペーサーを使って厚さを調整してスクリーンは形だけきちんと削り出すという方法です。 つまり、純正部品で言うと 真鍮スペーサーの形の厚さ調整用スペーサーを作り、 フレネルレンズの形にファインダースクリーン(ピント面はペンタプリズム側になります)を削り出し、 ペンタプリズム側から厚さ調整用スペーサー、スクリーン、スクリーン押さえ金具の順に組み込む。 と、言うものです。 作業手順 まず、カメラを分解する場所と削りカスの出る場所(厚さ調整用スペーサー、フォーカシングスクリーンを削る場所)を分ける。(カメラの中にゴミを持ち込まないもっとも基本的なことです)分解を始める前にミラーに傷が付くのを防ぐため、紙を短冊状に切ってミラーボックスに置いてテープで固定。 分解の手順は「写眞機工房」を見ながら行いました。 厚さ調整用スペーサーの作成 泉式は田宮のプラ板で厚さ調整用スペーサーを作ることにしました。 加工のしやすさを考え、0.3mmと0.5mmを組み合わせて作ることにしました。 金属スペーサーに合わせて小細工用のカッターナイフで切り出します。 「厚さ調整用スペーサー」 0.3mmを2枚、0.5mmを2枚作りました。(実際使用したのは0.5mm2枚) これと純正の真鍮製スペーサーの組み合わせで0.8mmから1.3mmぐらいの幅で色々と試す事が出来そうです。 厚さ調整用スペーサーとフレネルレンズを装着してピントを合わせてみると、0.5mm1枚と0.3mm2枚を入れるとフレネルレンズ単独でほぼピントが合います。 うーん純正のスクリーンはどの様にしてピントが合っているのだろう? フォーカシングスクリーンの削り出し 泉式はNikon FM3A用スプリット付きフォーカシングスクリーンを使用 削り出すフォーカシングスクリーンにマスキングテープを貼って養生する。 マスキングした光沢面(ピント面でない方)にスプリットの中央のチェックを入れる。 スプリットの部分は出っ張っていますのでその部分を傷つけない様に周りに厚くマスキングテープを貼る。 純正のフォーカススクリーン(合焦ポイントが入ったスクリーン)の中央をマスキングにマークした中央に合わせて、組み込んだとき奥になる面の位置に線を引く *組み込んだとき奥になる面はフレネルレンズもフォーカススクリーンも同一面なので奥になる面をきちんとすればスプリットの中央がファインダーの中央から大きくずれることはない。 奥の面を合わせてフレネルレンズの型をマスキングテープに写して、削り出す。 Pカッターで大まかに周りを切り落とす。 *100円ショップで買ってきたカッティング・ボードを小さく切って、そのボードから削り出す面を少し出して両側から挟んで小細工用の万力に固定、ずれないように注意しながらヤスリで削っていく。(ヤスリは目詰まりしないように少し削ってはブラシで目を掃除しながら削る。削りカスは傷の元、常に机の上を掃除しながら行う)新たにヤスリを買うなら(泉式は通常のヤスリを使用)、田宮模型の工作用ヤスリ(アラ削り用、小細工用の2種類)を購入する。目詰まりが少ないしよく削れる。(久しぶりに近所の模型屋に行って使わせてもらった。感動!) 奥の面の中央の突起、手前面両端の突起を純正フレネルレンズと合わせながら削っていく。 幅は奥から横突起までを削ればとにかくカメラ本体に仮置き出来るので、ある程度削れば厚さ調整スペーサー0.5mm1枚(マスキングテープを貼ってあるため、その厚さを差し引いて)をセットして仮置きしてみて、スクリーンを固定する(分解の時一番最初に外す板)部品がスムーズにはめ込めるかを確認する。 ブロアで埃をはらってから、仮置きすること(カメラにゴミを持ち込まない) 最終的には横突起の手前側もきちんと削らないとスクリーン押さえ金具がちゃんと入らない。 きちんと削りだしたら、もう一度、机の上を大掃除。服に付いた削りカスも掃除機で吸い取る。もしくは着替える。 フォーカシングスクリーンの組み込み マスキングを外して、超音波洗浄機(めがねを洗うもの)でスクリーンを洗浄。 意外とマスキングテープの接着剤の汚れなども取れる。 スプレー式のブロアで水滴を飛ばして乾燥。 泉式は厚さ調整用スペーサーの白い色が気になって、枠の内側になる部分につや消し黒でペイントしました。はみ出すと厚みが変わるので要注意!必要ないかも? ペイント乾燥を確認。厚さ調整用スペーサーもついでに洗浄。 実際セットしてみると0.5mm2枚でほぼピントが来ます。 チェックするとやや前ピン。 厚さ調整用スペーサーを1500番の耐水サンドペパーで水(埃よけにもなる)をつけて、均一になるよう注意しながら削ります。ここからは自分で納得がいくまで、削ってはピントを確かめ、削っては確かめを繰り返す。少しづつ注意深く・・・・ 組み込んでチェックするときファインダー内のゴミもチェックすること。 最終的にもう一度、洗浄、ブロアでゴミを飛ばしながら、ファインダー内にゴミが入らないように組み込む。 以上が泉式の作業工程です。 所要時間は7から10時間というところでしょうか? 焦るとろくな事がないので、とにかく、一つずつきちんと行う事が大切です。(これはアドバイスではなく自分自身への戒めです。) 小細工用の小型電動工具の使用も考えましたが、使用したニコンのフォーカシングスクリーンは軟らかい(傷つきやすい)ので、丁寧に手で削るほうがよいと思われます。 泉式はもともとカッターやヤスリなどの工具やマスキングテープ、超音波洗浄機などを持っているので、持ち出しはフォーカシングスクリーン代とプラ板、100円のカッティングボード、耐水ペーパー代ぐらいでしたが、一から揃えるとなると結構な金額になると思います。 それを考えると、改造しないでもピントが合う人は改造しない。ピントを合わせやすくしたいが、よほどスクリーンの見え方にこだわって、このスクリーンでないと駄目っていう人以外は既製のスクリーン(たとえばこれ)を買って付ける方が実用的かなぁ・・・・ テストと使用感想 泉式はMicroNikkor55mm3.5(ニコンFマウントアダプター) Elmarit90mm2.8 viso(ライカRマウントアダプター:このレンズはヘリコイドが無限遠を超えて回るので無限遠のチェックにも使用した)Planer50mm1.4(ヤシカ・コンタック スマウントアダプター)それと仕事場に転がっていたキヤノンEFレンズ50mm2.5コンパクトマクロの4本のレンズをとっ換え、ひっ換え、テストしました。 もちろん、絞りは開放。当然ですが90mm2.8でそこそこピントが合っていれば、焦点距離が90mm未満のレンズでは2.8以上に絞ればほぼ合います。 テストをしていると、ピントの合わせやすいレンズ、合わせにくいレンズ色々あります。近接で撮って、無限遠でスプリットチェックして・・・ピントを合わせる癖にたいなものがあって完璧というのは無いのかもしれません。どこで妥協できるかなぁ・・・と、言うのが本音です。妥協しやすいのはマットスクリーンかもしれません。 ちょっと使った印象としてはPlanar50mm1.4やNikkor35mm1.4は解放ではスプリットよりマット面の方がピントが合わせやすい気がします。Nikkor50mm1.4やNoctNikkor58mm1.2、はスプリットの方が見やすい。Elmarit90mm2.8visoやSonner135mm2.8、Ai Nikkor 180mm2.8EDなど望遠レンズはスプリットの方が分かりやすいかな。 老眼になっている泉式はスプリット付きの方がピントは合わせやすいのですが、なにせ、フォーカシングスクリーンの面積がすごく小さいのでスプリットとスプリット周囲がファインダー内に占める範囲が大きくなってファインダー内がゴチャゴチャします。すべて、日の丸構図の写真を撮るなら、または書類の複写しかしないのなら問題ないのですが、なんともスッキリしないファインダーです。そういう意味では目のいい人はピントの山をつかみやすい全面マットのフォーカシングスクリーン(使ったことはないがα9のM型スクリーンは評判がいいですね。でも、そんなの手に入りません。)を加工して入れる方が圧倒的に見やすいファインダーになるかもしれません。 でも、今はもう一枚削り出す元気がないなぁ(笑) 本当なら、調整の際、正確にピントを合わせるために高倍率のマグニファイヤーの使用が望ましいのですが、EOS用のものはないですね(まぁAF精度が良いならマグニファイアーは必要なくて当たり前なのですが・・・)泉式のEOS20DにはオリンパスE300用1.2倍のものを付けています(視野が狭くて眼鏡愛用者にはちょっときついなぁ・・・)
by senshikibow
| 2007-04-06 20:27
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